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摂食・嚥下には5段階の動作がある

投稿日:2017年2月21日

カテゴリ:スタッフブログ

こんにちは。
海星会スタッフOです\(^o^)/

あまり聞きなれないかもしれませんが、

摂食とは食事をとること、嚥下とは飲みこむこと、

簡単にいうとこういうことです。

もう、食欲の秋ですね!

おいしく食事をするために、人間の脳や身体はたくさんの

働きをしています。

その中でも、まず、口に物を運んで、ごくんと飲みこむことまでに

大きくわけても5段階の動作を経ているのです。

とはいえ、口に運んだからさて次はどうしてこうして・・・という区切られたことではなく

私たちは何も考えなくても当たり前のように、その一連の流れを繰り返し行っているのです。

その5つとはどういうものなのか、についてお話いたします。

①先行期(認知期)

まず口に入れる前に食べるペースを作る段階です。
目で見たり、においをかいで、素材の食感や量にあわせて、

食べる順番や食べやすい量や食べ方をほぼ無意識に判断します。

 

②準備期(咀嚼期)

食べ物をかみくだき細かくしながらだ液と混ぜ合わせて粘りを持たせ、

飲み込みやすい形状にまとめ上げる段階です。
ここでまとめ上げたものを「食塊(しょくかい)」といいます。

③口腔期

主に舌の運動により、食塊を口から喉に送る段階。

④咽頭期

いわゆる「ごくん」とする段階です。
軟口蓋が反射的に収縮して食塊が鼻に逆流するのを防ぎます。

舌骨と甲状軟骨が持ち上がって食道が開き、喉頭蓋が倒れて気管が塞がります。

これらの機能が障害をおこすと、気管に入って誤嚥をしたりむせたり、肺炎を引き起こす原因になります。

⑤食道期

絞り込むような食道の運動により食塊を胃まで運ぶ段階です。

 

上記の③~⑤の三期が、「嚥下」の一連の流れとなります。

これだけのことを、ほぼ自動的に行っているというのです。文章を書きながら

このメカニズムを見ただけでも、すごいなぁと感心してしまいました。

ですが、これらは、健康な人が普通に行える機能でありますが、

どこか衰えていたり、何らかの原因で一部に障害があると、

一連の流れがスムーズに行えず、摂食または嚥下の機能低下がどんどんひどくなるケースがあります。

 

また、誤嚥性肺炎は高齢の方がよくなる病気の一つですが、

誤嚥したときに、むせたり咳き込むのは防衛する力なのです。

高齢のため、誤嚥に気づかないで炎症を繰り返してしまう

不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)というものがあるので、

日ごろから栄養をきちんととって免疫力を高めておくことや、口の中を清潔にしておくことは、 誤嚥しても重い肺炎に至らせないために大切なことです。

歯が少ないお年寄りの方や、食事を口からとらない寝たきりの人でも、

お口が汚れます。介護される方は、適切な口腔ケアを行ってあげましょう。

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